消費者庁は26日、「安全性に大きな疑念を抱かせる深刻な事案」として、6800の機能性表示食品すべての緊急点検を指示した。機能性表示食品の問題点とは何か。
「濃縮物を毎日摂取するという健康食品のリスクが端的にあらわれた事件」と、食品安全に詳しい科学ジャーナリストの松永和紀さんは話す。食事では、食べるものの種類や量などが日々変わるのが普通。だが、成分を濃縮して作るカプセルや錠剤などのサプリメントの場合、容易に大量の成分を摂取でき、毎日飲み続ける分、健康へのリスクも大きくなり得る。
さらに「紅麹コレステヘルプ」は、機能性表示食品として「悪玉コレステロールを下げる」などとうたっていた。機能性表示食品は、健康に与える効果(機能性)や製品の安全性の根拠を消費者庁に届け出さえすれば機能性の表示ができる制度。表示の文言も企業が比較的自由に設定でき、消費者に大きな訴求力を持つ。コレステヘルプも2021年の発売以来、約106万袋を販売。「生活習慣病関連の商品としてはヒット」(業界関係者)だったという。
機能性表示食品制度の導入検討時、消費者庁「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の委員だった合田幸広さんは、医薬品との品質管理のレベルの違いを指摘する。医薬品の製造では、治験で使用し承認を得たものと、同一の作り方で、有効成分以外の含有物質も同等のものを作り続けるよう厳しく定められている。
医薬品的な効果を期待させるが、製造工程は…
しかし今回のサプリは機能性表…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル